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二度目の若葉

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9月の半ばごろ、「そういえば、また葉っぱがなくなっているぞ?」と気付き
前の家のカリンの木を双眼鏡でのぞいてみると
ケムシが大発生して葉をもりもりと食い尽くしているのだった。
8m以上はありそうな大きな木は
(我が家から見えるのは、ベランダごしに上1mほどなのだけれど)
やがて枯れ木のような姿になり、葉っぱがすっかりなくなってもその食欲は衰えず
でも周辺には食草となる木がないため、大風の吹いた日の翌日から、
食草を求めてうろつくケムシたちがベランダにやってくる事態になった。
そういえば昨年も、同じようにケムシが発生していたっけ。
その前の年までは、毎年きれいな紅葉を見せてくれていた。
木が年とって、ケムシがつきやすくなったんだろうか。

調べてみると、クロモンシャチホコという蛾の幼虫で
この時期、桜の木などに大発生するケムシだった。
成虫は、名前のとおり白い羽根の両端に黒い紋があり
なかなかかわいらしい蛾なのだけど、ケムシは苦手。
毒はないというものの、気持ちが悪いし
つぶすと赤い血(体液)が流れてきて、これまた気持ち悪い。
どんな生きものも平等に好きになれたら、きっとどんなに楽しいことか。
子どもに親の「苦手」を自然と引き継がせてしまうことも
気になるところでもある。
なるべく、そういうものはなくしたいと思うものだけれど。

それにしても、好物の葉を食い尽くして食べるものがなくなると、周りには
他の葉っぱもあるのに、お腹すいたって一切食べない、というのは
徹底していてあっぱれだと思う。
お腹がすけば、その辺にあるものを手当たりしだい食べちゃう人と違って
「他の葉を食べるくらいなら、死を選ぶ」んだから。

やがて時期が過ぎて、やれやれ、となり、ある朝またふと気が付くと、
枯れ木状態だった枝の先に、柔らかそうな若葉が萌え出ていた。
狂い咲きした花も一輪。
小さい虫でもついているのか、シジュウカラがやってきて
さかんに葉のあたりをつついている。

冬までに少しでも樹に養分をため込んでおこうと、
新しい葉を出したのかもしれないなぁと考えると、
「もう秋だから葉を出しても遅いかぁ」とあきらめず
ひたすら生きようとする木の生命力に、感心したのでした。

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by erisart | 2016-10-18 16:03 | 鳥スケッチ | Comments(0)

最後のカブトムシ

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最後のカブトムシが、ついにご臨終した。
7月はじめに道で拾ってきたもので、なかなか立派な大きさのカブトムシだった。

春に保育園から15匹くらい幼虫をもらってきて、
ずい分大きいように見えたけれど、生まれた成虫はどれも小型サイズ。
カブトムシの幼虫は、生まれた年の冬までに栄養分の高い、いい土を食べないと
後からは大きくならないのだそうだ。
カブトムシやクワガタくらい、幼虫期の餌によって大きさが変わる昆虫も珍しいと思うけれど
カブトムシも、幼少期の栄養の度合いが、将来を決めるのだ。

もらってきた幼虫は6月末頃から毎日、つぎつぎと成虫になり
過密状態になってきたので、半分くらいは外に放したのだけれど、
3匹オスが出てきた朝「でてきたよ~」とふうちゃんに見せて、そのままうっかり、
ベランダの日なたに飼育ケースを置きっぱなしにして保育園へ出かけてしまった。
早朝はまだ涼しかったけれど、午前10時ごろに気づいたときにはすでに炎天下。
さっきまで元気だった3匹は、あっという間に熱にやられて死んでしまっていた。
いつか、「夏の虫は、暑さに弱いんです」とある昆虫の専門家がいっていたっけ。

出てきたばっかりだったのに・・・と罪悪感にさいなまれていた何日か後
道路脇の排水溝の、フタの格子に仰向けにはさまり
弱りかけていたこのオスを見つけたのだった。
そばにメスも1匹いて、夜のうちに何かの匂いか光に誘われてきたようだった。
その後メスが2匹加わったので、卵がたくさん産まれることを覚悟していたけれど
飼育ケースに敷いていた腐葉土が少なかったらしく、産んだのはたった2個だけ。
(もしかしたらもっとあったのかもしれないけど…幼虫にはならなかった)
お気に入りの1冊「はらぺこあおむし」をなぞり、
「ほら、”ちっちゃなたまご”」とふうちゃんに持たせて、
種のように腐葉土に埋めた2個は現在、幼虫になってぷくぷくと大きくなっている。
メスの方が長生きかと思ったら、9月に入って相次いで死に、オスだけが残った。
毎日の餌やりは、ふうちゃんのしごとで
「ふうちゃんがあげたえさ、たべてる~」と嬉しそうにしていた。
保育園から帰って、死んじゃったことを伝えると、悲しそうな顔をつくって
「きのう、ごはんたべてたのにねぇ~。かぶとむし、さなぎになってねんねするの?」
「かぶとむし、なんでしんじゃったの?」
・・・ぐるぐる考えて、
「かぶとむしは、さむくなったらしんじゃうんだよ」
というのが精いっぱいの、母なのでした。


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by erisart | 2016-10-14 16:27 | 昆虫スケッチ | Comments(0)

カマキリと・・・

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「ハリガネムシ」というのをはじめて見た。
車にひかれたメスのカマキリの傍らで。
最初、ほんとにゴム質のヒモだと思い、たまたまカマキリの傍にあるんだ
と思っていたのだけど、そのヒモが、かすかに動いているのに気付いた。

ハリガネムシに寄生されたカマキリは、やたらと水が飲みたくなり
水辺に喉をうるおしに行かずにはいられなくなるという。
そしてそれこそが、彼らの目的。
お腹の中でカマキリを誘導し水辺に着くと、
「じゃあ、どうもご苦労さん~」と、お尻から這い出し、
目的地である水の中にたどり着く。
しかし、その目論みが外れることもある。
ひかれた宿主から何とか這い出したものの、そこはアスファルトの上。
すぐそばには、川が流れているというのに。
カマキリのお母さんの方はといえば、大きくなったお腹をひきずり、
水を飲んだら卵を産む場所を探そうと、ゆっくり歩いていたのかもしれない。
でもお腹の中で育っていたのは卵ではなく・・・。
まるで「エイリアン」、そのものだ。
映画の架空の世界は、自然界では当たり前の日常として実在する。
「ハリガネムシがいるから、カマキリは嫌い」という人がいたけれど、
お尻からこの黒いハリガネがズルズル出てくる様子を一度まのあたりにしてしまったら、
トラウマになるであろうことは、理解できる。
カマキリのせいでは、ないんだけど。

それにしても、ハリガネムシが寄生したカマキリの卵は、どうなってしまうのだろう。
やっぱり、ハリガネに占領されて育たないのだろうか。
いずれにしても、たった数ヶ月しかない命が、こういうかたちで終わっていくのは、
無念だなと思ったりするのだけれど、朝見かけた道路にへばりついた死骸は、
たいてい夕方にはなくなっている。
きっと鳥か誰かの栄養になったんだろう。
これもひとつのサイクル、なのだ。


と、久しぶりの更新でした。

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by erisart | 2016-10-12 16:19 | 昆虫スケッチ | Comments(2)


ネイチャー・アーティスト/イラストレーター・小林絵里子のブログです。


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